2007年07月05日

技術

若き宮大工


箱根関所復元工事の記録撮影の仕事を4年ほどしていた。
この仕事は作業工程を撮影するという性質からディレクターがすることはあまりない。
カメラマンが撮影している横でどのような作業をしているかメモをとることぐらい。

工事現場に通うたびに「手に職をつける」ことについて考えていた。
大工はまさに「手」を使って仕事をしている。
手で材を持ち、材を削り、材をハツり、材を打つ。
カメラマンも「手」を使って仕事をしている。
手でカメラを持ち、手でピントを合わせ、ズームをし、パンをする。

大工やカメラマンは「技術」を身につけなければ仕事にならない。
さてディレクターはどうだろう。
「手に職をつける」という類いの仕事ではない。
極論をすればディレクターという仕事はだれにでもできる。
特に「技術」を必要としない。
大工は図面通りに材を削れなければその時点で失格だろう。
カメラマンは撮影した映像のピントがぼけていたらその時点で失格だろう。
しかしディレクターに明確な失格の基準はない。

ディレクターの仕事において、構成を考えたり取材相手から言葉を引き出したり、ナレーションを書くという作業は簡単なことではない。
しかしそれらの作業は僕の考える「技術」とは違う。
「技術」とはもっとわかりやすく人に示せるものだと思うからだ。
ディレクターの資質として「センス」は必要かもしれない。
とはいえ「センス」がなければディレクターになれないというわけでもない。
薄給でもいいので何か仕事をしたいという人がいたらディレクターは狙い目かもしれない。

とここまで書いて「技術」がなければこの先、映像ディレクターとして生きていくのは大変なことかもしれないとまったく矛盾したことを思ったりもしている。

最後に映像ディレクターの「技術」についてとても参考になるブログをご紹介。

「映像ディレクターの生きる道 」
(3RD EYEさんのブログ)

3RD EYEさんのブログは、これから映像ディレクターを目指す人にとっては必読といってもいいぐらいわかりやすく映像ディレクターの仕事について書かれています。

tai_kichi_ro at 00:00│Comments(3)TrackBack(0)clip!鯛の労働日誌 

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この記事へのコメント

1. Posted by 相沢です。   2007年07月11日 21:01
 でも、やっぱり。
オイラは
視点と
切り口と
構成、
だと思うなぁ。
2. Posted by 3RD EYE STUDiOS   2007年07月20日 11:56
こんちは。なんか冷や汗かいちゃいました。。

おっしゃるとおり、センスって評価が難しい。。たまたま出会った担当者と映像の好みが違ったら、それでオシマイってなこともあるし、逆にセンスを買われたら、どんどん仕事もらえることもある。

その点、営業的なウリとしては「技術」は分かりやすいですね。お金に換算しやすいからギャラもとりやすいし。。ホントはそこじゃないんだけど。

いずれにしても何を評価されるか分からない「あいまい」な仕事だと思います。

3. Posted by たかぎ鯛吉郎   2007年07月21日 00:03
◎相沢さん
ですねえ、このエントリーは少しひねくれた文章です…こんど、徹底的に語りましょう。
◎3RD EYEさん
3RD EYE STUDiOSはVPの面白さを享受する立場から共感する部分が多いのと参考になる記事が多いので愛読させてもらっています。
そしていつも勝手に紹介させてもらっています…
おそらくハードウェアのダウンサイジング化が映像制作およびディレクターの仕事にどのような影響を及ぼし、どのようなスタンスで関わっていくべきなのかという話だと思います。
3RD EYEさんはそのことについて、とても意識的だなあと思っています。
この件についてはまた別に機会にでも書いてみようと思います。

VP=コマーシャル・アートの作り手としてお互い切磋琢磨していきましょう。

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